物理化学は「化学が苦手だから無理」と諦める人が多い科目ですが、乙4レベルは高校化学ほど深くありません。出題パターンが決まっており、3〜4テーマを理解すれば6/10は取れます。この記事では文系・社会人でも理解できるように、理屈から丁寧に解説します。
物理化学は10問、合格ラインは6問以上(60%)です。4問は捨てられます。
✅ 攻略の核心
物理化学は「丸暗記」ではなく「理解」が求められます。燃焼の三要素・消火方法・燃焼範囲・静電気の4テーマを理解すれば6〜8問は対応できます。
物理化学で最も重要なテーマです。燃焼の三要素と、それぞれに対応する消火方法をセットで覚えてください。
消火とは「三要素のどれか1つを取り除く」行為です。
| 消火方法 | 取り除く要素 | 具体例 | 代表的な消火剤 |
|---|---|---|---|
| 除去消火 | 可燃物 | ガスの元栓を閉める・延焼先の木を切る | — |
| 窒息消火 | 支燃物(酸素) | 泡・砂・蓋で覆う | 泡・CO₂・粉末・砂 |
| 冷却消火 | 点火源(熱) | 水をかけて温度を下げる | 水・強化液 |
⚠️ 最頻出ひっかけ
「水は窒息消火だ」→ 誤り。水は冷却消火です。熱(点火源)を奪って温度を下げます。窒息消火は酸素を遮断する方法です。
火災は燃えているものによってA・B・C火災に分類され、適応する消火剤が異なります。
| 火災の種類 | 内容 | 使える消火剤 | 使えない消火剤 |
|---|---|---|---|
| A火災(普通火災) | 木材・紙・繊維など | 水・泡・粉末・CO₂ | — |
| B火災(油火災) | 石油類など | 泡・粉末・CO₂ | 水(棒状) |
| C火災(電気火災) | 電気設備など | 粉末・CO₂・ハロン | 水・泡(感電のおそれ) |
⚠️ 電気火災への水・泡は厳禁
電気設備の火災(C火災)に水や泡を使うと感電のおそれがあります。CO₂消火剤・粉末消火剤を使用します。
| 消火剤 | 消火方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 水 | 冷却消火 | A火災に有効。油火災・電気火災には不適 |
| 強化液 | 冷却・抑制消火 | アルカリ性。水より消火効果が高い |
| 泡(通常) | 窒息消火 | B火災(油火災)に有効。水溶性危険物・電気火災には不適 |
| 耐アルコール泡 | 窒息消火 | 水溶性危険物(アルコール・アセトン)に使用 |
| CO₂消火剤 | 窒息消火 | 電気火災にも使える。密閉空間で酸素欠乏に注意 |
| 粉末消火剤 | 窒息・抑制消火 | 万能型。ABC火災すべてに対応する種類がある |
| 砂(乾燥砂) | 窒息消火 | 禁水性危険物に使用 |
可燃性ガスや蒸気が空気と混合したとき、燃焼できる濃度の範囲を「燃焼範囲」といいます。
💡 燃焼範囲のイメージ
濃度が低すぎても(可燃物が少なすぎ)、高すぎても(酸素が少なすぎ)燃えません。「ちょうどよい濃度の範囲」だけが燃えます。
| 用語 | 意味 | 危険性との関係 |
|---|---|---|
| 燃焼下限値(爆発下限値) | 燃焼できる最低濃度 | 低いほど危険(薄い濃度でも燃える) |
| 燃焼上限値(爆発上限値) | 燃焼できる最高濃度 | 高いほど燃焼範囲が広い |
| 燃焼範囲(上限−下限) | 燃焼できる濃度域 | 広いほど危険(燃える条件が多い) |
ガソリンの燃焼範囲:1.4〜7.6%(下限値が低く、比較的広い)
⚠️ ひっかけ
「燃焼下限値が高い方が危険だ」→ 誤り。燃焼下限値が低い方が危険です。少ない濃度でも燃えるためです。
第4類危険物は電気の不良導体(電気を通しにくい)が多く、静電気が溜まりやすい特性があります。
| 対策 | 説明 |
|---|---|
| 接地(アース)する | 最も基本的な対策。静電気を地面に逃がす |
| 流速を下げる | 液体を流すときの速度を遅くする |
| 導電性材料を使う | 静電気が溜まりにくい材質の容器を使う |
| 空気を加湿する | 湿度を上げると静電気が放電されやすい |
⚠️ ひっかけ
「流速と静電気の発生は無関係だ」→ 誤り。流速が速いほど静電気が発生しやすいです。流速を下げることが対策の一つです。
液体の密度を水(1.0)と比較した値です。
💡 なぜ重要か
水より軽い液体(ガソリンなど)は水をかけると水面に浮いて広がります。そのため水での消火は逆効果になります。
蒸気(気体)の密度を空気(1.0)と比較した値です。
✅ 覚え方
「第4類の蒸気は空気より重く、低い場所に溜まる。換気するときは床面付近を重点的に」これをセットで覚えると問題に対応できます。
ひっかけ①:水は窒息消火
「水は窒息消火に使う」→ 誤り。水は冷却消火。熱を奪って温度を下げます。窒息消火は酸素を遮断する方法(泡・CO₂など)。
ひっかけ②:電気火災への水使用
「電気火災には水をかけて冷却消火する」→ 誤り。感電のおそれがあり使用不可。CO₂消火剤・粉末消火剤を使用します。
ひっかけ③:燃焼下限値の危険性
「燃焼下限値が高い方が危険だ」→ 誤り。燃焼下限値が低い方が危険。少ない濃度でも燃えるためです。
ひっかけ④:静電気と流速
「液体を流す速度と静電気の発生は関係ない」→ 誤り。流速が速いほど静電気が発生しやすいです。
ひっかけ⑤:第4類の蒸気比重
「第4類危険物の蒸気は空気より軽く上部に溜まる」→ 誤り。第4類の蒸気はほぼすべて空気より重く、低い場所に溜まります。